学習学ブログ
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ゴールデンウィークが終わって

 ゴールデンウィークは、元々、映画業界の用語。NHKでは「大型連休」と言いますが、今年は長めにお休みをとれた、という方も多かったのではないでしょうか?私は「研修講師養成塾」を2回主催しましたので、これまでになく中身の濃い連休になりました。このプログラムは、講師をつとめる私自身にとっても、得る所の多い「学びあいの場」なのです。

 個人タクシーの運転手さんが「俺なんかは、長い休みは困るんだよね。東京から人がいなくなっちゃうでしょ。だから、ずっーと、家でぶらぶらしてたんだ」と言っていました。なるほど、そういうこともあるでしょう。

 「月曜日を休みにする三連休だって困るよ。週の真ん中に休日が入ると、ほんとにありがたいと思うけど、3日続きの休みだとありがたみが薄れちゃう。そんなにしょっちゅう温泉に行ける訳じゃないでしょ。」なるほど。

 「金帰火来」(金曜日に地元に帰り、火曜日に東京に来る)国会議員にとっては、都合の良い制度ですが、私にとっても、週の真ん中に祝日があった方がうれしい気持ちになります。

 とは言え、年に7、8回は3連休が発生することになったのですから、これを有効に活用する戦略も大切ですね。3連休とゴールデンウィーク、お盆休みと年末年始にプログラムを集中した、社会人向けの大学院大学があっても良いかも、と思ったりもしました。

年頭に思う:「性学説」

哲学の根本命題の一つは、人間の性(さが)を善ととらえるか、悪ととらえるか、というもので、それぞれ孟子は「性善説」であるとか、荀子は「性悪説」であるとか言われています。毎日暮らしていて、様々なニュースに接する中で、人間ってすばらしいなあって感じることもあれば、人間って何と愚かで利己的なんだろうと思う瞬間もあります。ですから、「性善説」「性悪説」どちらにも一理あって、どちらか一方が絶対的に正しいというものではないように思います。

私の松下政経塾の先輩にあたる林英臣氏は「個人には性善説、集団には性悪説を基本にして臨め」という説を唱えています。確かに、一人ひとりを見れば善良な人々が、「会社のため」「国家のため」「宗教のため」など、何らかの目的をもって集団を形成すると、とんでもなく破壊的な方向に走る傾向はあるかも知れません。ただ、集団に対しても、やはり善なる可能性があると考えた方が、未来に希望が持てるのではないでしょうか?企業や国家が、国益を脇に置いて地球環境を大切にしたり、世界の平和のために貢献することは「ありえない」ことではなく、「ありえる」ことですし、「あるべき」ことだと考えるのです。

それでは、私の立場はと言うと、「人間の根本の性は学ぶこと」であるという「性学説」を唱えています。つまり、人類の歴史を振り返ってみると、過去から学び損なった回数は数知れず、かなりの紆余曲折を経ていますが、大局的に見れば、人類として進歩してきたのではないか、いや、進歩してきたと信じたい、進歩していると信じて自分自身生きていきたいと思っているのです。

人間は、自分自身の体験から学ぶことができます。また他者の経験や先人達の知恵や知識から学ぶことが可能です。企業や地域社会、国家、そして地球社会も学習することにより、進化していくことができるはずだ、と思うのです。ただ、これまで、個人の学習についても、組織の学習についても、案外、具体的な方法論が語られてこなかったのだと思います。

個人レベルでは、自己学習を中心としながらも、効果的にコーチングを組み合わせることで、限界を超えていくことができるでしょう。組織のレベルでは、たとえば、Appreciative Inquiry や様々なファシリテーションの技法を用いることで、お互いの学びあいを促進していくことが大切です。

私自身、これらのキーワードの周辺で研究と実践を積み重ねていきたいと考えています。



http://www.learnology.co.jp

大晦日に思うこと

24日からあっという間に大晦日。今年ほど12月が早くすぎた1年はなかった。これも加齢現象の一部かも。日本漢字能力検定協会が選んだ今年の漢字は「災」だったが、スマトラ島の地震、そしてインド洋の津波の映像を見るだに、人類が自然とどうつきあっていくべきか考えないではいられない。災害が起こってから対策を考えるのではなく、起こる前に必要な手立てを講じておくことが大切だ。炭酸ガスの増加や地球温暖化ばかりでなく、油田地帯から石油の船積みが止まる事態や大規模な食糧危機、もっと身近なところでも水不足や花粉症、インフルエンザなど、前もって準備さえしておけば、被害を最小限にできる「災」は少なくないはずだ。あすは我が身と考えておきたい。

1年間、ありがとうございました。
お世話になった皆様に心から感謝の気持ちをお送りしたいと思います。

http://www.kanken.or.jp/event/index.html

みなとみらいの大道芸

クリスマスイブのみなとみらいで、大道芸人・河原彰さんのパフォーマンスをたっぷり30分以上堪能した。風船で動物を作る技で客を集め始め、ジャグリングやシガーボックス、ヨーヨー(ほんとに上空高くまで投げる)などの「大技」、トランプや本を使った手品などの「小ネタ」、音楽や効果音の使い方、そして、観客を階段の中心部に集める巧みな話術など、実に見事だった。僕が見始めた頃にはせいぜい60人ほどだった観客が、最終的には500人あまりの鈴なり状態。僕自身、階段を5段前進、3メートルは中心部に引き寄せられていた。

学校の先生や研修の講師は、基本的にはcaptured audienceを相手にする。つまり、聴衆には逃げ場はなく、演目の終了まで、好むと好まざるとにかかわらずそこにいなければならない。ところが、大道芸の場合には、free range(放し飼い状態)な訳で、面白くなければ、あるいは、面白かったとしても所用があれば、立ち去ることになる。去っていく客の後ろ姿を見送ることほど、演者にとって寂しいことはないのだが、川原さんはそこをうまく消化していた。

まず、観客を中心部に高密度で集めることで、物理的に動けないようにすること。次に、とにかく飽きさせないテンポの話術と大ネタ、小ネタの組み合わせにより客が帰るきっかけを与えない。そして、帰っていく客そのものを一つのネタとして活用さえしていた。

特に、観客の歓声の引き出し方が素晴らしいと思った。芸で引き出し、話術で引き出し、お願いで引き出し、歓声を聞いた時の顔の表情と体の反応でさらにまた引き出し、というスパイラルを描いていた。

ちょっと職業病で分析しちゃいましたが、理屈抜きに楽しめる素敵なショーでした。とっても楽しかった!

http://www.keikyu.co.jp/webnagisa/04_04/tokusyu.html

好意を伝える

月火水と3日間、某女子大でビジネスコミュニケーションの集中講義。普段は、企業の管理職を対象とした研修が中心なので、聴衆のほとんどがおじさん達ということになる。そんなスケジュールの中で、大学1、2年生の女性相手は非日常的な時空間となる。やはり勝手が異なることも多い。「最近の若者は....」とひとくくりにされることもあるが、一人ひとりキャラクターは違うし、けっこう真剣に人生やキャリア、そして世界のことを考えている学生もいる。

マーケティングのレクチャーのイントロとして「好きな男性にどう好意を伝えるか?」というブレーンストーミングを実施したが、これは面白かった。僕が気にいったベスト3は「観覧車」「電報」「看病」だった。なるほど。

角栄失脚 歪められた真実

元ロイター記者の徳本栄一郎氏の新著が光文社ペーパーバックスから発行された。「角栄失脚 歪められた真実」というタイトルで、ロッキード事件はアメリカの陰謀だったのかどうかを、歴史的文書を丹念にあたり、存命の証人にも、きちんとインタビューしたジャーナリストの良心を感じる著作だ。昨日の日経朝刊で広告を見て、福岡・天神の書店で購入し、羽田までにいっきに読み終わった。

現在のマスコミに、あらかじめ用意した見出しとシナリオに合致するように、都合のよい情報をつなぎ合わせていく手法があふれかえっているが、根拠のぜい弱な「陰謀説」の危うさ、そして、もっともらしさ、をまじめに取材していてさすがと感じた。しかし、ロッキード社の社内文書がチャーチ委員会に「誤配」された経緯について、これまで誰も裏をとっていなかったという事実には唖然とさせられる。私たちのまわりには、これに類するまことしやかな「伝説」がたくさん潜んでいるに違いない。

実は徳本氏とは、96年に「世界青年の船」でご一緒したことがある。気骨を感じる面構えで頼もしく思ったが、以来、多方面で活躍されていて心強い限りだ。個人的には、光文社ペーパーバックスの「4重表記」(ひらがな、カタカナ、漢字、英語)は、とても面白いと思った。僕も、1冊、出してみたいなあ。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334933491/qid%3D1103387099/249-7172886-4170760

ブログなるものを

以前から、weblogを始めようかな、とは思っていたのですが、なかなかきっかけがなくて、朝日新聞の土曜版BEhttp://www.be.asahi.com/20041211/W16/0031.htmlの記事を読んで思い立ってスタートすることにしました。

学習学のオフィシャルなサイトhttp://www.learnology.co.jp/は、ちょっと硬めのつくりになっているので、このブログでは、少しやわらかめに、僕の日常の学びについて、独り言を書きつづってみようかと思っています。

昨日12月16日の夜は、日本コーチ協会http://www.coach.or.jpの福岡チャプターで、2時間のワークショップを行ないました。札幌、名古屋でも実施した「ヒーローインタビュー」3連発というネタです。誰でも、あの時はがんばったなあ、という体験の一つや二つあるもの。その時のことを思い出すと、けっこう元気が出るんですよね。世の中の上司のみなさんは、この忘年会シーズン、自分の昔話を長々とするのではなく、部下の成功体験を質問して、聴き出し、ほめてあげて下さい。これ、この冬、特におすすめの方法です。